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“自分ばかり話してる”と悩む管理職へ――石像会議を変える心理的安全性とリーダーシップの技術

更新日:4月6日

“自分ばかり話してる”と悩む管理職へ――石像会議を変える心理的安全性とリーダーシップの技術

目次



 Potage株式会社代表取締役 コミュニティ・アクセラレーターの河原あずさです。


 組織開発の専門家であり「シンクリ!」相談所所長の、株式会社ZENTechの代表取締役社長CEO 金亨哲さん(ひょんちょるさん)、そして感情知性EQの専門家であり副所長の私・河原あずさ、ナビゲーターのきのせまりさんの3人でお届けする音声番組「シンクリ!心理的安全性あふれるチームづくり相談所」。その第2回放送が配信されました。今回はその内容をレポートしていきます。



リスナー最大の悩み「石像会議」。誰も発言しない会議が生まれる構造とは


 事前アンケートで「あなたが最も処方箋が欲しいモヤモヤは何ですか?」と聞いたところ、一番多かった回答が「石像会議」でした。石像会議とは、リーダーや声の大きい人だけが話していて、他のメンバーは石像のように黙っている会議のこと。マネジメントの現場では、リーダーは「なんとか前に進めなきゃ」と思っている一方で、メンバーは「また、あの人ばっかり話してるな」と感じている。双方にすれ違いが生じている、典型的な会議のパターンです。


 ひょんちょるさんは、石像会議が生まれる大きな要因のひとつとして参加人数の多さを指摘しました。「あの人を呼んだなら、この人も呼ばないと角が立つ」「一応いた方がいいかも」という配慮が積み重なり、発言しづらい空気が生まれてしまう。呼ばれた側も「なぜ自分がここにいるのか」が分からず、黙り込んでしまう。さらに、なぜ呼ばれたか分からない人がいること自体が、他の参加者の発言を萎縮させるという悪循環も生まれます。リーダーシップやファシリテーションの問題以前に、会議の「構造」そのものが心理的安全性を損なっている場合が少なくないのです。



「会議の面積」を最小化し、ファシリテーションで発言を引き出す


 では、石像会議をどう変えていけばいいのか。放送では具体的な処方箋が語られました。


 まず、ひょんちょるさんが紹介してくれたのが「会議の面積を最小にする」という考え方です。これは、あるクライアントさんで使われていた共通言語だそうです。会議の「面積」とは、参加人数×時間のこと。つまり、人数を減らし、時間も短くすることで、会議にかかる工数を最小化しようというマネジメントの発想です。アジェンダに関係ない人を極力呼ばず、役割がきっちり明確な最少人数で会議を行う。これだけで、心理的安全性の高い議論が生まれやすくなります。


 人数を絞った上で大切になるのが、発言量を均等にするファシリテーションです。ひょんちょるさんは、ファシリテーターを毎回輪番にすることを提案していました。同じテーマの会議でも、ファシリテーターが変わると発言する人の構成も変わり、回数を重ねるごとにチーム内の発言の多様性が生まれるそうです。


 私からは「あえて喋らせない時間を作る」というティップスをお伝えしました。議論に入る前にまず全員に意見を書いてもらい、集めて読み上げてから話し合いを始めるというやり方です。喋るのが苦手でも、書いてと言われると書ける人、意外と多いんですよね。記名せずに書いてもらえば、声に出しては言いづらい本音を拾うこともできますし、意見のばらつきを可視化することで全体像を掴んでから議論に入れるというメリットもあります


 会議冒頭にアイスブレイクを短くやることも効果的です。第1回放送のタピオカミルクティーのワークのように、全員が声を出して参加する時間を最初に設けることで、場の心理的安全性が一気に高まります。



EQを活かした意思決定とセンスギビング


 石像会議では声の大きい人の一声で物事が決まりがちですが、では心理的安全性の高い組織ではどう決めるのか。ひょんちょるさんの答えは明快でした。「決めるまでの段階では多様な意見を出す。でも、決まった後は、たとえ自分が賛成していない部分があっても、チームでコミットする」。そして、決めるときは多数決ではなく、権限のある人がきちんと決める。なぜなら、多数決では少数意見を持つ人が置き去りにされ、長いものに巻かれる構造が生まれてしまうからです。


 私たちは学級会の頃から多数決に慣れ親しんでいますが、マジョリティの意見が常に採用される仕組みでは、多様性や心理的安全性は担保されません。EQを活かしながらリーダーが責任を持って決断し、その意味をチームに伝えていく。これが、心理的安全性の高い組織におけるリーダーシップのあり方です。

 この文脈で話題に上がったのが「センスメイキング」と「センスギビング」という概念です。センスメイキングとは、上から降りてきた目標や不条理な状況の中で「なぜこれをやるのか」という意味を自分で見つけること。そしてセンスギビングとは、見つけた意味を部下や組織に渡すことです。ひょんちょるさんは、多数決で決めたがるリーダーは、上から降りてきたものをそのまま流しかねない人だと指摘しました。自分たちで意味を見つけ、それをチームに手渡せるかどうか。これがマネジメントの質を左右し、心理的安全性の高い組織文化をつくる鍵になるのです。


 センスメイキングはそれなりにできる方が多い一方で、課題はセンスギビングの方だなと私は感じました。自分の中では腹落ちしていても、その解釈をメンバーに届けることは簡単ではありません。理解していることと、それを相手に伝えて行動につなげることは別の技術です。ひょんちょるさんは「何度も何度も、違う伝え方で伝えるしかない」と話していました。1on1で伝えるのと全体会議で伝えるのでは違うし、文章と口頭でも違う。一回で全部渡そうとせず、小さく小分けにして、頻度を多めに出していく。これが大事なのだと思います。


 私自身も、社内ポッドキャストという取り組みを今年から始めました。週に1回、10分程度、私が経営の視点で見ている景色や意思決定の背景を話して、文字起こしと一緒にSlackに投稿しています。ひょんちょるさんも、ウィークリーレポートをSlackに貼って、メンバーの活躍のハイライトなども含めて発信しているそうです。日々のこうした蓄積が、少しずつセンスをギブしていくことにつながる。チームビルディングの基盤となる組織文化は、こうした地道なコミュニケーションの積み重ねでつくられていくのだと、お互いの実践を共有しながら実感しました。



まとめ:心理的安全性の高いチームビルディングは一歩ずつ


 放送の最後には、ナビゲーターのきのせまりさんから、リスナーのコメントが紹介されました。手探りで始めた番組に声が届くのは、本当にうれしいことです。コメントはstand.fmで受け付けています。放送の感想や質問、なんでも大歓迎ですので、ぜひどしどしお便りをお寄せください。


 今回のシンクリ!第2回では「石像会議」をテーマに、心理的安全性の高い会議づくりのヒントをたくさん語り合いました。ポイントを整理すると、会議の面積を最小にすること(人数と時間を絞る)、ファシリテーションの工夫で発言を引き出すこと、そして意思決定はリーダーが責任を持って行い、センスギビングとしてその意味をチームに伝え続けることの3つです。


 どれも一気に変える必要はありません。ひとつずつ、小さく試していく。その積み重ねが、石像会議を心理的安全性あふれる対話の場に変えていくのだと思います。マネジメントに悩むすべてのリーダーにとって、この記事がチームビルディングの何かのヒントになればうれしいです。

 次回のシンクリ!もお楽しみに。



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