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"叩き台をぶっ叩く会議"から卒業しよう。心理的安全性を高めるチームビルディングの第一歩|ポッドキャスト『シンクリ』始動

"叩き台をぶっ叩く会議"から卒業しよう。心理的安全性を高めるチームビルディングの第一歩

目次



 Potage株式会社代表取締役 コミュニティ・アクセラレーターの河原あずさです。


 このたび、新しいポッドキャスト番組「シンクリ!心理的安全性あふれるチームづくり相談所」(略して「シンクリ」)がスタートしました。株式会社ZENTech(以下、ZENTech)の代表取締役社長CEOである金亨哲さん(ひょんちょるさん)と私の二人で、リスナーの皆さんから届く「チームビルディング」や「マネジメント」にまつわるお悩みに答えていく番組です。ナビゲーターにはきのせまりさんをお迎えしています。


 ZENTechは2018年から「心理的安全性」という概念を世の中に広げるために活動してきた会社で、共同代表の石井さんが出された「心理的安全性のつくりかた」という書籍でご存じの方も多いかもしれません。心理的安全性を軸とした組織開発コンサルティングを通じて、さまざまな企業や組織の組織文化づくりに取り組まれています。一方の私は「コミュニティ思考」という考え方をベースに、EQ(感情知能)を活用した組織の関係性づくりや、チームがもっとよく動くための伴走支援をしています。そんな二人が「心理的安全性」と「チームビルディング」をテーマにお悩みに答えていくというのが、この番組の趣旨です。



「挑戦因子」が低い組織の正体 


 記念すべき第1回の放送では、早速リスナーさんからお悩みが届きました。


「新しいサービスを考えていこう」「今までの提供サービスを見直していこう」というチームにおける相談です。メンバーが自分の業務の延長線上でしか考えず、具体的な提案がない。結局リーダーが一生懸命考えて叩き台を出し、それに対して意見交換が始まるという状況。相談者の方はこのチームのメンバーで、「これならAIと話してた方がマシだし、早い」と感じているようです。


 マネジメントの現場で、チームから主体的なアイデアが出てこないことに悩むリーダーは決して少なくないでしょう。


 このお悩みに対して、ひょんちょるさんが指摘したのが「挑戦因子」の問題でした。ZENTechが提供している心理的安全性の診断サービス「SAFETY ZONE」では、心理的安全性を4つの因子で測定しています。「新規事業部」や「DX推進室」といった名前がついたチームなのに、4つの因子のうち「挑戦因子」が特に低いという現象がしばしば見られるそうです。イノベーションを求められているはずのチームで、なぜ挑戦が起きないのか。それは「ちゃんと結果を出さなきゃいけない」というプレッシャーが強くのしかかり、失敗を恐れるあまり誰も最初の一歩を踏み出せない状態に陥っているからです。チームビルディングの観点から言えば、「新規事業部」や「DX推進室」といったチームの役割と実態が乖離してしまっている状態ともいえます。



「アリバイ提言」と「叩き台をぶっ叩く会議」


 ひょんちょるさんは、ある事例も紹介してくれました。会議の中で「とにかく意見は出しておこう」という空気がある現場の事例です。発言すること自体が「仕事をした証」になっていて、本当の意味でプロジェクトを前に進めようという意見ではない。いわば「アリバイ提言」です。「会議に参加した意味はあるよ、なぜなら発言したから」――そしてその発言すらも、「お前発言してないじゃないか」と言われることを避けるための予防線だったりする……これはチームマネジメント上、非常にもったいない状態です。1on1やチームの会議で対話が形骸化していると感じたことのある方は、この構造に心当たりがあるのではないでしょうか。


 きのせさんからは、会社員時代の経験として「声の大きい人がバーッと話してしまい、他の人が『私もそう思います』と続くだけ」という状況を挙げてくれました。一応みんな発言はしている。でも、本当の意味で意見が混ぜ合わされているかは疑問という、まさに心理的安全性が担保されていないチームで起こりがちな光景です。リーダーシップを発揮しているつもりの人が、実は周囲の発言を抑制しているということは、チームビルディングの現場では珍しくありません。


 私自身も、大企業の新規事業部署でこうした場面に出くわしてきました。シリコンバレーで学んだデザイン思考の中に「Yes, and(イエス・アンド)」という手法があって、相手の意見に「それいいね、それでさ」とちょい足ししていく連鎖でアイデアを膨らませていくのがコツなのですが、実際にやってみると斜に構えたコメントが多かったり、「叩き台」なのにでっかいハンマーで暴力的にぶっ叩いて割ってしまう人がいたりする状況によく出くわします。リスクを取らないように探り合うチームもあれば、評論家ばかりで何も前に進まないチームもあります。



今日から使える2つのアプローチは、「行動の称賛」と「斜に構えないワーク」


 こうした状況に対して、ひょんちょるさんが提案してくれたのは「まずチャレンジした行動そのものを称賛する」というアプローチでした。リーダーが叩き台を出してくれたなら、中身の議論に入る前に、その行動自体を「ここまでやってくれてありがとうございます」「このポイントってめちゃくちゃ素敵ですね」と認める。行動への称賛があってからフィードバックを寄せていけば、次もやろうという気持ちにみんながなれる。これはEQ(感情知能)の観点でいえば、相手の感情を認識し、適切に応答するというEQを活かした実践そのものです。


 否定しなくても意見は出せるのだから、「加えて、なんかここって僕としてはこういう観点もあるかなと思ったんですけど」という「イエス・アンド」の言い方で、建設的な対話が生まれていきます。コーチングの世界でも「承認」から入ることの重要性はよく語られますが、チームの会議の場面でも、まったく同じ原則が当てはまるのです。


 私からは「斜に構える・構えないワーク」というアイスブレイクを紹介しました。タピオカミルクティーの画像を見せて、最初の1分間は「斜に構えた態度」で語ってもらう手法です。「だいぶブーム終わったよね」みたいなコメントが飛び交った後、次の1分間は「斜に構えない態度」で絶賛してもらいます。「これは一時的なブームじゃない、定着した台湾文化の象徴だ」と。そして最後に、どちらが心地よかったかを振り返ってもらうのです。当然、斜に構えない方が気持ちいいとおっしゃる方が多いです。しかもこの切り替えは、スイッチひとつでできるんですよ、という話をします。いろいろなお題で試したのですが、タピオカミルクティーが一番ちょうどいいということに行き着きました。

(アイスブレイクに関してはこちらの記事でもお読みいただけます)


 ひょんちょるさんが言う「まず褒める」というコミュニケーションも、結局は一人ひとりが自分の中でスイッチを入れられるかどうか。だからこそ、チームの対話を始める前にこのアイスブレイクで体感してもらって、「この場では斜に構えない方でいきましょう」という合意形成をしてから始める。それだけで場の空気はずいぶん変わります。心理的安全性を高めるチームビルディングの第一歩として、ぜひ皆さんも会議で試してみてください。


 こんなふうに、今日明日からすぐに使えるマネジメントのテクニックや、現場のリアルで生っぽい話をお届けできるのが「シンクリ」の強みだと思っています。心理的安全性やEQといった概念は、知識として知っているだけでは組織文化は変わりません。日々の対話の中で一つひとつ実践していくことで、チームは少しずつ、でも確実に変わっていきます。


 これからも皆さんのチームビルディングやマネジメントにまつわるお悩みに、所長・ひょんちょるさんと副所長・河原あずさの二人で前のめりに答えていきます。ぜひ番組を聴いていただけるとうれしいです。お悩みはこちらからお寄せください。



 
 
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