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EQが高い人の特徴とは。共感力・傾聴力が"その人だけ"で終わらないチームの作り方

更新日:2 日前


【目次】





【この記事の要点】


 EQ(感情知能)とは、自分や相手の感情を「情報」として読み取り、行動につなげる力です。1990年にサロベイ氏とメイヤー氏が提唱した概念で、「感情の識別・利用・理解・調整」の4つで構成され、性格と違って後天的に伸ばせます。


 EQが高い人には、共感力・傾聴力・感情のコントロール・自己認識の深さなど、共通する特徴があります


 ただし、EQが高い人がチームに一人いるだけでは、チームは変わりません。むしろ「察してくれる便利な人」として感情負荷が偏り、その人だけが消耗していくケースが多く見られます。個人のEQは、それを受け止め循環させるチームの「土壌」がなければ発揮されないからです。


 大切なのは、個人のEQを鍛えることではなく、メンバー同士が互いの特性を知り合い、補い合える関係性に整えていくこと。Potageはこれを「組織調律」と呼んでいます





 「あの人はEQが高い」と言われる人には、共通する特徴があると言われています。共感力や傾聴力、感情のコントロール、柔軟性。私自身もこの言葉を日常的に使うのですが、ふと立ち止まることがあります。


 そういう人がチームに一人いるだけで、本当にチームは変わるのでしょうか。


 現場を見てきて感じるのは、むしろ逆のことが起きやすいということです。EQが高いとされる人ほど「察してくれる便利な人」として扱われ、その人だけが消耗していくケースは少なくありません。


 本記事では、EQが高い人の特徴を具体的にご紹介したうえで、もう一歩踏み込みます。大切なのは、EQを個人の能力として磨くことだけではなく、メンバー同士が互いの特性を知り合い、補い合える関係性をつくっていくこと。そのプロセスを「組織調律」という言葉で考えていきたいと思います。


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 EQとは何か(定義)?


 EQはEmotional Intelligence Quotientの略で、日本語では「感情知能」「心の知能指数」と訳されます。1990年にイェール大学のピーター・サロベイ氏とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー氏が論文で提唱し、その後ダニエル・ゴールマン氏の著作によって広く知られるようになりました。「感情の識別」「感情の利用」「感情の理解」「感情の調整」の4つの能力で構成されます。IQと違い、訓練や経験によって後天的に伸ばせる能力だと考えられています。



EQは「感情を情報として扱う力」


 EQは「感情を扱う力」を測る考え方です。怒りや不安、喜びといった感情を「ないもの」とするのではなく、自分や相手の中にある感情を一つの「情報」として読み取り、行動につなげていく。そのような力としてEQをとらえています。



 EQとIQの違い


 よくIQ(Intelligence Quotient/知能指数)と対比されますが、扱う領域がまったく異なります。下の表で整理してみました。


項目

EQ(感情知能)

IQ(知能指数)

測るもの

 感情を読み取り、扱う力

 論理・計算・抽象的な思考

後天的な変化

訓練・経験で伸ばせる

 大きく変えることは難しい

仕事との関係

人間関係や対人マネジメントに直結

個人の処理能力に直結

 自覚しやすさ

 自分では気づきにくい

 テストで数値化されやすい



 EQは「もって生まれた性格」ではなく「伸ばせる力」だと考えています。意識のスイッチをどこに置くかで変わっていくものなのです。



 EQは「感情を押し殺す技術」ではない


 ここで一つ、注意しておきたいことがあります。EQを「感情を出さないようにする力」と誤解されることがあるのですが、それは違うのです。


 EQは、自分の中に動く感情を「情報」として読み取り、必要に応じて使い分けていく力です。焦り、苛立ち、不安——そうした感情をなかったことにするのではなく、サインとして受け取り、行動を選び直す。そのような力としてとらえると、EQはずっと身近な能力になっていくのではないでしょうか。




 EQを構成する4つの能力


 EQ理論では、感情を扱う力を4つの能力(ブランチ)に分けて整理しています。ここでは、EQ理論の提唱者であるサロベイ氏が監修するEQグローバルアライアンスの公式定義に沿って紹介します。



 感情の識別(Identify)


 相手の感情を理解し、それに対し自分に生まれた感情を正確に理解する能力です。怒り、不安、喜びといった感情を、自分の中でも、他者の表情や仕草からも、ありのままに捉える力なのです。



 感情の利用(Use)


 理解した感情に対し、自らの思考や行動を助けるための感情を生み出す能力です。集中したいときに気持ちを切り替える、相手の意欲を引き出すために自分の表現を整える、といった感情の使い方が含まれます。



 感情の理解(Understand)


 感情が生み出された原因や特性を理解し、次に生まれる感情を予測する能力です。「なぜ自分は今モヤモヤしているのか」「相手はこのあとどんな感情を持つだろうか」を読み解く力だと言ってよいでしょう。



 感情の調整(Manage)


 自らと相手が求めるべき結果が得られるよう、感情を思慮深く調整し、行動へと繋げる能力です。4つの能力の中でも最も総合的なもので、他の3つを活かしながら対人関係を成立させる役割を担うのです。




 EQが高い人に見られる10の特徴


 ここからは、EQが高いとされる人によく見られる行動や思考の特徴を10点ご紹介します。みなさんご自身や、周囲のメンバーに当てはまるかを照らし合わせながら読んでみてください。



 1. 共感力がある


 相手の表情や言葉から感情を察し、その気持ちに寄り添うことができます。同情ではなく、相手の立場から物事を見られる姿勢だと言えます。



 2. 傾聴力が高い


 相手の話を遮らず、最後まで耳を傾けます。途中で「それは違う」と否定したり、自分の話に持っていったりすることが少ない傾向があります。



 3. 感情のコントロールができる


 怒りや不安を感じる場面でも、感情のままに反応するのではなく、一度立ち止まれます。自分の状態を客観的に捉える視点を持っているのです。



 4. 柔軟性がある


 自分と異なる価値観や意見に対しても、偏見を持たずに受け止められます。「そういう見方もあるか」と一度引き取れる懐の広さだと言ってよいでしょう。



 5. ストレス耐性が高い


 難しい状況に置かれても、過度に動揺せず、目の前のことに集中できます。ストレスを感じないのではなく、ストレスとの付き合い方を知っているという意味です。



 6. 素直さがある


 他者からの指摘やフィードバックを、防衛的にならず受け取れます。自分の弱みを認められる強さを持っているのです。



 7. 粘り強さがある


 うまくいかない状況でも、感情に流されず取り組み続けられます。短期的な結果に一喜一憂しない姿勢だと言えます。



 8. 自己認識が深い


 自分の強み・弱み、感情の癖を把握しています。「自分はこういう場面で焦りやすい」といった自己理解があるのです。



 9. ポジティブな視点を持てる


 困難な状況でも、その中にある可能性や学びを見出せます。無理に明るく振る舞うことではなく、見え方の幅が広いということではないでしょうか。



 10. 他者を尊重する


 立場や役割に関わらず、相手を一人の人間として扱います。表面的な敬意ではなく、関係性の中で対等であろうとする姿勢なのです。



ここまでのポイント


  • EQはサロベイ氏とメイヤー氏が1990年に提唱した、感情を扱う能力

「感情の識別/利用/理解/調整」の4つで構成される

  • EQが高い人の特徴は、共感力・傾聴力・感情コントロールなど10項目に整理できる

  • EQは性格ではなく、後天的に伸ばせる能力




 EQが低い人に見られる傾向


 EQが高い人の特徴がわかりやすい一方で、低いとされる人にも一定の傾向があると言われています。ここで紹介する特徴は、ある人を「EQが低い人」と断定するためではなく、誰もが陥りやすい状態として捉える目安だと考えてください。



 自分中心になりやすい


 相手の感情や状況より、自分の感情や立場を優先する場面が多くなります。意図的というより、相手の感情に注意が向きにくい状態なのです。



 感情のままに反応してしまう


 怒りや不満をその場で出してしまい、あとで後悔することがあります。感情と行動のあいだに、立ち止まる余白が少ない状態だと言えます。



 ネガティブな発言が多くなりがち


 状況の中の問題点に目が向きやすく、できないこと・足りないことを口にすることが増えます。本人の性格というより、感情の扱い方の癖がそうさせているのかもしれません。


 これらの傾向は、性格の問題というよりは、EQの扱い方の癖です。本人が自覚し、扱い方を整えていくことで、状態は十分に変えていけるものなのです。




 EQが高い人がいるだけでは、チームは変わらない


 ここからは本記事の中心となる視点です。EQが高い人の特徴を読むと、「こういう人がチームにいてくれたら、自然と良くなりそうだ」と感じるかもしれません。けれど、実際の現場では、そう単純にはいかない場面が数多くあります。



 「察してくれる人」に感情負荷が偏る


 共感力や傾聴力が高い人は、周囲から見ると「気が利く」「話しやすい」存在になります。すると、相談ごとや感情的な負荷が、その人に集中していくのです。


 「あの人に聞いてもらえば落ち着く」「あの人がいるからこの場はもつ」。一見、その人の能力が活かされているように見えます。けれど、本人にとっては感情労働が偏ってかかっている状態です。便利に使われる側にまわってしまうと、能力が高い人ほど消耗していきます。


 弦楽器の弦をイメージしてみてください。一本だけが張り詰めすぎていれば、いつ切れてもおかしくありません。それと同じことが、EQの高い人と組織の関係でも起きていると感じています。


 PotageのEQアナリストとしてクライアントに向き合ってきた代表・河原あずさも、こう話しています。


 高いEQを持っているとされる人が、組織に踏まれて消耗している状態は、たくさんあります。特に中間管理職のみなさんに、よく見られる状態だと感じているのです。


 EQが高い人を採用して組織に組み込んだだけでは、必ずしもうまくいくとは限らない。むしろ、その人ひとりに依存する構造が静かにつくられていく。そのことを、私たちは現場で繰り返し見てきました。



 個人のEQは「土壌」がないと発揮されない


 個人のEQが活きるかどうかは、本人の能力だけでは決まらないのです。チームの側に、その能力を受け止めて循環させる「土壌」があるかどうかで変わります。


 弱みを開示できる空気がない。誰かが察してくれる前提で動いている。感情の話をすることが避けられている。こうした土壌では、EQが高い人の能力は「ひとりが頑張る」形で消費されていきます。


 EQの効果は、本人の能力よりもチームの関係性に依存します。だからこそ、個人を鍛えるアプローチだけでは届かない領域があるのではないでしょうか。




 個人のEQをチームに循環させる「互いを知り合う」プロセス


 では、何をすればよいのでしょうか。鍵になるのは、「個人を鍛える」発想から、「メンバー同士が互いの特徴を知り合い、活かし合える関係性をつくる」発想への切り替えだと考えています。


 これはPotageが「組織調律」と呼んでいる考え方です。劇的に何かを変えるのではなく、メンバー一人ひとりが自分のEQの特徴を理解し、互いの違いを尊重しながら、適切な距離で響き合える状態に整えていく。調律師が弦を弾くプレイヤーになるのではなく、全体の響きを聴きながら微調整するように、チームの関係性も整えていけるのです。



 互いの特性を可視化する


 最初の一歩は、互いのEQの特性を共通言語で把握できる状態をつくることです。「あの人は気が利くから」「あの人は細かいから」という曖昧な印象ではなく、それぞれがどんな感情の傾向を持ち、どんな場面で力が出るのかを言語化していきます。


 EQ診断は、この共通言語をつくるための手段の一つです。マネージャーだけが受けるのではなく、チーム全員が共通の物差しを持つことに意味があると考えています。



 弱みを開示し合える場をつくる


 互いを知り合うときに大切なのは、強みだけでなく弱みを共有し合えることです。「私はこういう場面が苦手」「ここはモヤモヤを抱えやすい」と話せる場があると、メンバーは個人で抱え込まなくてよくなります。


 個人の困りごとが、チームの課題として受け止められる状態。これが、心理的安全性の前提なのです。



 補い合える関係性に組み替える


 互いの特徴がわかると、関わり方は自然に変わっていきます。「あの人はこういうタイプだから、こう伝えよう」「自分の弱みはあの人の強みだから頼ってみよう」。役割や指示ではなく、特性を起点にした補い合いが生まれていくのです。


 実際にPotageが関わった関電不動産開発様の事例では、メンバー同士がEQPIの結果シートを互いに見せ合い、弱みも含めて開示し合ったことで、3か月後に行動の変化が現れました。相談や報告が増え、意思疎通が滑らかになり、プロジェクト推進のスピードまで上がっていったのです。「個を知り、互いを知り合う」ことが、チームの動きをどう変えていくかが見える事例だと感じています。



▶ Potage導入事例:関電不動産開発様|EQ×チームビルディング研修で変わった営業推進部の関係性

事例を見る

 PotageのEQPI診断が選ばれる理由


 ここまで「互いの特徴を知り合う」ことの大切さに触れてきました。Potageでは、その出発点として、独自設計のEQ診断「Potage EQ64 Types(EQPI)」を提供しています。世の中にはEQ診断やパーソナリティ診断がたくさんありますが、設計の考え方が他のものとは少し異なる部分があるので、ここで簡単にご紹介します。



 EQ+性格特性+64タイプの3層構造


 PotageのEQPIは、EQ・性格特性・64タイプの3層を組み合わせて結果を返します。


 EQだけを見ると、能力の高低という見え方に寄ってしまいます。性格特性だけを見ると、その人らしさは見えても、変えられる部分が見えにくくなる。3つを重ねることで初めて、変えられるEQの部分と、その人らしさである性格特性が、立体的に立ち上がってくるのです。


 「数値の良し悪し」ではなく「特性の理解」を軸にした設計にしています。



 「あなたを一言で表すと」64タイプが共通言語になる


 3層構造の中でも特徴的なのが、64タイプの分類です。これは、Potageが800名以上のEQPI実施データをもとにつくり上げた独自フォーマットで、「あなたを一言で表すと、どんなタイプか」を言葉で返す設計になっています。


 数値やグラフだけでは伝わりにくい「自分のキャラクター」が、一言の表現として戻ってくる。しかも、優劣のない、価値判断を含まない並列の特性として提示されます。


 代表の河原あずさは、設計の意図をこう話しています。


  私のキャラクターはこんな感じ、あの人はこんな感じ。そんなシンプルな形で、お互いを語り合えるようになるんです。研修で無理やり促されるのではなく、自分から言いたくなる。そんな分析シートの設計にしています。


 EQ検査を受けて終わりにせず、自分から共有したくなる。そういう入り口になることが、64タイプ設計の意図なのです。



 アナリストとの1on1を通して、診断結果で「自分の理解」が進む


 PotageのEQPIは、診断結果のシートを返して終わりではありません。受検後にPotageのEQアナリストが、お一人につき1時間の1on1でフィードバックを行い、結果を一緒に読み解いていきます。


 数値が数値のままだと、行動には変わりません。アナリストとの対話を通じて、結果が「自分の言葉」に変わり、「あ、確かにこういうところがあるな」と腑に落ちる瞬間が生まれる。そこから自己理解が一段深まり、行動の変化につながっていくのです。


 800名以上の診断実施と、複数企業での診断活用支援のなかで蓄積してきた、結果の読み方・活かし方の知見が、アナリストとの1on1には反映されています




 自分や周囲のEQを把握する第一歩


 EQが高い人の特徴を読んでいると、「自分はどうだろう」「あの人はどうだろう」と気になってくるはずです。けれど、印象や感覚で判断するのは難しいですし、当てはまる項目を数えても、自分の現在地は見えてきません。


 最初の一歩としておすすめしたいのは、診断などで自分のEQを客観的な情報として手にすることです。数値とタイプという共通言語が手に入ると、自分の現在地が見えるだけでなく、チームメンバーと互いを語り合う土台ができてきます。


 「個人のEQを把握する」と「チームに循環するEQを育てる」は、別の話に見えて、実は同じプロセスの入り口と出口だと考えています。



EQPI診断について、Potage公式LINEで不定期にご案内をしています。

Potage公式LINE



【よくある質問(FAQ)】


 Q. EQが高い人の特徴は?


 A. 共感力・傾聴力・感情のコントロール・自己認識の深さなどが代表的な特徴です。ほかにも、柔軟性、ストレス耐性、素直さ、粘り強さ、ポジティブな視点、他者への尊重が挙げられます。いずれも「感情を情報として読み取り、行動につなげる力」の表れだと考えられます。



 Q. EQは生まれつきのものですか。後天的に伸ばせますか?


 A. EQは後天的に伸ばせる能力だと考えられています。性格そのものではなく、訓練や経験、そして自分の感情の扱い方を意識することで変えていけるものです。IQが大きく変えにくいとされるのとは、この点が異なります。



 Q. EQが高い人がチームにいれば、チームは良くなりますか?


 A. EQが高い人が一人いるだけでは、チームは変わりません。むしろ「察してくれる便利な人」として感情負荷が偏り、その人だけが消耗していくケースが少なくないからです。個人のEQが活きるかどうかは、それを受け止めて循環させるチームの関係性(土壌)があるかどうかで決まります。




 まとめ:EQの高さは、個人の能力ではなく「チームに循環する力」として育てる


 EQが高い人には、共感力・傾聴力・感情のコントロールといった共通の特徴があります。これらはたしかに、チームを良くしていく可能性を持った能力です。


 けれど、EQが高い人がチームに一人いるだけでは、チームは変わりません。その人だけに感情負荷が偏り、消耗していくケースのほうがむしろ多いのではないでしょうか。


 大切なのは、個人のEQを鍛えることだけではなく、メンバー同士が互いの特徴を知り合い、活かし合える関係性に整えていくこと。私たちはこれを「組織調律」と呼んでいます。自分のEQを把握することは、そのプロセスの最初の一歩になっていくのです。



このテーマについて、Potage代表・河原あずさが日経COMEMOの連載「ズレたチームを含む組織調律論」で詳しく語っています。

ズレたチームを含む組織調律論(連載)

 
 
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