「遠慮」と「配慮」は違う。感情を扱えるチームのつくり方/NOKIOO・小田木朝子さんと考えるEQ(感情知能)
- 河原あずさと36.5編集部

- 4 日前
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【この記事の3行まとめ】
チームのためにと気を配るほど、自分ばかりがすり減っていく。その違和感の正体は、「遠慮」と「配慮」が混ざっていることかもしれません。
感情に蓋をしないことは、誰かにぶつけることではなく、自分で丁寧に扱うこと。EQでは、この一連の流れを「調整」と呼びます。
人材開発・組織開発を手がける株式会社NOKIOO取締役の小田木朝子さんとの対談から、遠慮を配慮に変え、感情を扱えるチームをつくるヒントを探ります。
目次
チームのためにと気を配っているのに、なぜか自分ばかりがすり減っていく。会議では波風を立てないよう言葉を選び、メンバーの要望にはできる限り応える。その先で、ふと「自分は何をしているんだろう」とモヤモヤが残る。そんな感覚を持つ管理職は、少なくないかもしれません。
この違和感の正体について、人材開発・組織開発を手がける株式会社NOKIOO(以下、NOKIOO)取締役の小田木朝子さんとVoicyにて対談しました。EQ(感情知能)をテーマに話すうちに見えてきたのは、「遠慮」と「配慮」が混ざってしまっている、という構図でした。この記事は、対談をもとにして作成しています。
NOKIOO・小田木さんが、いま「感情」に向き合う理由
小田木さんは、組織で働く人の力をどう引き出すかを長く見てきた人です。その小田木さんが、いまもっとも大切にしているテーマのひとつが「感情の扱い方」だと言います。 意外なのは、10年前はまったく逆だったという点です。
「ビジネスに感情を含めるものではない、感情を排して論理的でなくてはならない、と思っていたんです。自分自身も、感情を丁寧に扱うことを知らなかった。 常にポジティブでいなければと振る舞ううちに、悲しみも、怒りも、がっかりも、きちんと扱わないまま通り過ぎていく。それは「自分に鈍感になり、人にも鈍感になっていくことと同義だった」と、小田木さんは振り返ります。
中間管理職の忙しさの本質も、物理的な量よりも「感情の混乱」にあることが少なくありません。やるべきことと手放していいことの仕分けがつかなくなる。不安や焦りに流されると、目の前の出来事に反射的に反応するだけになり、選ぶ余裕がなくなっていきます。
蓋をしないことは、ぶつけることではない
ここで誤解が生まれやすい、と小田木さんははっきり言葉にしてくれました。
感情に蓋をしない、というと、出しまくっていい、誰かにぶつけていい、と受け取られがちです。でも、ぶつけることと、自分で丁寧に扱うことは、まったく別のことなんですよね。
Potageの現場でも、配慮や気配りの強いマネージャーが、こんな悩みを話してくれたことがあります。いろいろな人から「こうしてほしい」と頼まれると、その全部に応えようとしてしまう。それが自分の仕事だと思っている。けれど時々、心の中で舌打ちしたくなる自分がいて、それが嫌だ、と。
その声を、悪い自分の声として扱う必要はないのかもしれません。「なぜ、その声は出てくるのか」と問いを向けると、見えてくるのは、それが「やりすぎないためのブレーキ」だということです。本音を消そうとするのではなく、そこにあると認める。それだけで、ものごとが前に進むことがあります。
遠慮と配慮は、似ているようで違う
【遠慮】我慢し続けて、自分の意見を出せない状態
【配慮】自分の本音を、まわりが傷つかないように、適切なタイミングで伝えられる状態
自分の感情を見つけ、蓋をせずに気づけるようになると、不思議とまわりの気持ちも察せられるようになる。そのうえで、どう伝えるかを選べるようになる。遠慮から配慮へ調整することが大切、と言えるのかもしれません。
小田木さんは、これを「意識して育てた」と言います。難しいと思い込まず、蓋をしすぎないようにしようと自分の感情に向き合うことを始めたら、相手の感情も大事にできて、この状態を手放したくないと感じるようになっていった、と。調整する力は、後からでも身につけられるものなのです。
NOKIOOとPotageは、同じ方向を別の入り口から
NOKIOOは、人材開発・組織開発の専門家として、学びの設計や仕組みづくりから組織の力を引き出してきました。一方Potageは、EQを活かしたチームづくりを通じて、感情が循環する「場」の側から組織を支えています。
入り口は違いますが、向かう先は同じです。すなわち、その人らしさを活かしながら、成果を上げ続けられる組織です。今回の対談は、その二つの視点が交わったからこそ深まった話でした。
今日からできる、小さな一歩
感情を扱うと言われても、何から始めればいいのか迷うところです。試してみてほしいのは、モヤモヤを「小さいうちに、結論のないまま」声に出してみること。モヤモヤは、見えていないからモヤモヤなのであって、外に出して初めて可視化され、解像度が上がっていきます。
小田木さんには、そのための鉄板の枕詞があるそうです。
「ちょっと、つぶやいていいですか」で始める。そうすると、結論もないし、ポジティブな話でもなくても、抱えているモヤモヤを言葉にしやすい。相手も『いいよいいよ』という気持ちで聞ける。
多くの人がモヤモヤを出すのを躊躇するのは、「ちゃんと説明しなきゃ」「整理してから話さなきゃ」というプレッシャーがあるからです。けれど本当は、結論も解決策もいりません。まだ言葉になりきらない感覚を、そのまま置いてみる。それを聞ける関係が増えていくこと自体が、チームが感情を扱えるようになっていく一歩です。
「気遣い」から「お互いさま」へ
個々人の感情は、チームや組織全体の状態となって、そこに表れます。その状態は、見た目だけでは見分けがつきません。一人が気を使って抑え込む関係と、お互いに気を配り合って支え合う関係は、似ているようでまったく違うからです。
小田木さんの言葉を借りれば、「気遣い」よりも「お互いさま」。自分がつぶやくときもあれば、誰かのつぶやきを聞くときもある。その循環が、組織全体の感情の扱い方を育てていきます。
小田木さんの発信・株式会社NOKIOOについて
小田木さんのVoicyチャンネル「明日の景色を変えるしごとサプリ」では、仕事・キャリア・人生に効く“音声サプリ”を毎日配信中!
株式会社NOKIOO コーポレートサイトはこちらからご覧いただけます。
Potageからのご案内
PotageはEQ(感情知能)診断とワークショップを通じて、「感情を扱えるチーム」づくりを支援しています。まずは、個人や組織の感情の状態を知るところから始めてみませんか。
対談の出演者
小田木朝子さん(株式会社NOKIOO取締役)
人材開発・組織開発を手がける株式会社NOKIOOの取締役。Voicy「明日の景色を変えるしごとサプリ」パーソナリティ。
河原あずさ(Potage株式会社代表/コミュニティ・アクセラレーター/思考調律師)
EQ(感情知能)と組織調律を軸に、チームづくりを支援。メンバーが本音を交わし、生き生きと成果を上げ続けられる組織づくりに取り組んでいる。
ご自身の状態や組織の状態をEQという観点で知ることから始めたい方には、EQPI診断も効果的です。EQ診断のご案内は、Potage公式LINEで行っています。






