
事例:
インテージテクノスフィア様

「違い」を武器にする組織のつくり方──EQチームビルディングで実現した「関係の質」の変革
株式会社インテージテクノスフィアのDX共創センター(現・事業シナジーセンター)(以下、インテージテクノスフィア)は、Potage株式会社とともに、EQ(感情知性)を軸としたチームビルディングと組織開発のプロジェクトを実施しました。
営業、開発、BPOなど異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まる同組織では、「多様な人材がどのように協働し、シナジーを生み出すか」というテーマに向き合ってきました。本取り組みでは、丁寧なヒアリングを通じて組織の現状を可視化し、EQPI®を用いた相互理解とビジョンの言語化を行うことで心理的安全性を高め、個々が自律的に動く組織の土壌作りを支援しました。
本記事では、プロジェクト導入の背景、自己理解から他者理解へと進むプロセス、そして新組織への移行期においてどのように「関係の質」を高めていったかを紹介します。

こんな方におすすめ
異なる専門性を持つメンバーの「シナジー」を生み出したいリーダー
互いの価値観や個性を理解し合う、心理的安全性の高いチームを作りたい方
組織の再編期に、個々が自律的に動き出す「組織の土壌」を早期に整えたい方

スキルの足し算だけでは埋まらない──多様な専門家集団が直面した静かなジレンマ
インテージテクノスフィアのDX共創センターは、社内外のパートナーと共創し、事業成長を加速させるミッションを掲げていました。しかし、そこには営業、開発、BPOといった全く異なるキャリア背景を持つ人材が集まっており、従来の「ITスキル」や「営業スキル」といった物差しだけでは、組織として目指すべき人材像やチームのあり方を定義しきれないというジレンマがありました。
センター長の長谷川 博信さんとともに組織の理想像を模索していた久保田 郁亮さんは、ある仮説にたどり着きます。
「必要なのは、特定のスキルセットではなく、行動の背後にある価値観や思考パターン、すなわち『コンピテンシー』の共有ではないか」
組織の境界を越えて人と情報をつなぐ「バウンダリースパナー」や「コミュニティマネージャー」のような役割こそが、この多様なチームには必要だと考えた久保田さん。その過程でPotage代表・河原のnote記事に出会い、そこに記された課題意識に共鳴したことから、プロジェクトは動き出しました。
Potageが提案したのは、まずメンバー一人ひとりが自身の特性を、EQ診断「EQPI®」を活用して深く理解し、それをチーム全体で共有するという、組織のOS(基盤)を整えるアプローチでした。
EQPI®診断結果が映し出す“個”の輪郭──互いの凸凹を「面白がる」ための共通言語づくり
最初のステップとして導入されたのが、EQ診断「EQPI®」を用いたチームビルディング研修です。
「基本性格特性」「ビジネス行動特性」「EQ発揮行動」という3つの視点から個人の特性を可視化することで、感覚的に捉えられていた「個性」が、明確なデータとして共有されました。

研修では、単に診断結果を見るだけでなく、自分の強み・弱み、仕事のモチベーションが上下する具体的なシチュエーションを言語化し、ペアワークで徹底的に自己開示を行いました。
「取り繕わず、包み隠さずに開示する」というルールの下で対話を重ねるうち、メンバー間には「この人はこういう特性だから、こう接すればいいのか」という納得感が広がっていきました。
久保田さんは、組織分析解説セッションでの変化を、以下の様に振り返ります。
「組織が丸裸にされるようで盛り上がった」
メンバーの個性がデータとして可視化されることで、互いの違いをリスクではなく「チームの武器」として面白がる空気が生まれたのです。
まずはご自身がのEQを知りたい方はこちら
新組織での再出発──遊び心が心理的安全性のスイッチを入れる
2024年7月、組織は「事業シナジーセンター」へと改組され、6割以上のメンバーが新たに入れ替わる大きな変化を迎えました。組織の「土壌」を整え、早期にチームとしての求心力を高めるため、Potageは再び伴走支援を行いました。
新組織でのワークショップでは、前回同様の「自己理解・他者理解」に加え、「個人のビジョンの言語化」に焦点が当てられました。
特に印象的だったのは、互いの特性をポジティブに捉え直すキャッチコピーづくりのワークです。
Aさんのキャッチコピー:『マネージャー気質の縁の下の力持ち』
理由:「チーム指向」や「協調優先」が強く、自分が一流になるよりも、
「一流指向」の人をうまくまとめて成果を出したい志向が強いため。
Bさんのキャッチコピー:『白黒はっきりしている生粋の裏方』
理由:得意・不得意がはっきりしていて、EQPI分析結果もザ・裏方だったため。
Cさんのキャッチコピー:『ガラスのエジソン』
理由:独創性はあるが、周囲の批判にやや弱いため。
「マネージャー気質の縁の下の力持ち」「白黒はっきりしている生粋の裏方」「ガラスのエジソン」といったユニークな言葉が飛び交い、初対面のメンバー同士の距離が一気に縮まりました。久保田さんは以下の様に語ります。
「弱みや迷いを口にしても大丈夫なんだ、という空気が生まれました。『苦手を苦手と言っていい』と心が楽になったという声も多く、心理的安全性の土台が強固になったと感じています」
「個人のビジョン」と「組織の未来」を接続する──自律的な協働が生まれる組織への進化
関係性の土台ができた上で、プロジェクトは「自律分散」をテーマに、個人のビジョン形成へと進みました。
「3年後に実現したい、ちょっと大きめの夢」を言葉にし、それを3倍、10倍へと膨らませていくプロセスを通じて、メンバーは「自分がこの組織で何を実現したいのか」を問い直しました。
参加したメンバーからは以下のような声が寄せられています。
「誰しも完璧ではないと分かり安心した」
「自分の価値観が明確になり、芯ができた」
個人の夢が組織のなかで共有されたことで、単なる業務上の関係を超えた、互いの自己実現を応援し合える「コミュニティ」としての絆が芽生え始めています。
「弱さ」をさらけ出せる強さ──心理的安全性が育む、自走する組織の土壌
インテージテクノスフィアの事例が示しているのは、多様な人材が集まる組織において最も重要なのは、「互いの凸凹(特性)を理解し、受け入れ合う関係性」であるという事実です。
「バルネラビリティ(弱さをさらけ出すこと)」が許容される組織では、メンバーは安心して挑戦し、自律的に動き出すことができます。Potageとの取り組みを通じて、久保田さんが目指した「関係を育む組織」。取り組みを通して、メンバー一人ひとりが自分のビジョンを持ち、組織のビジョンと重ね合わせながら成長する「自律的な成長サイクル」へと進化しつつあります。
丁寧なヒアリングと対話を通じて組織の文化を理解し、課題を明確化する。そして、互いに認め合い、学び合いながら成長できる「関係」を育む。このプロセス設計への伴走こそが、Potageが提供するEQチームビルディングの本質です。
受講者の感想 → インテージテクノスフィア社のnote記事を読む


