
事例:
ココスタイル様

心理的安全性が92%へ向上──EQ経営を基盤にした、本音が自然に行き交う組織への変革
EQ(感情知性)をベースとした組織開発サービス「Your CEQO」を提供するPotage株式会社では、COCOSTYLE株式会社(以下、ココスタイル)のみなさまと2年にわたり、EQを軸としたチームビルディングと組織開発のプロジェクトを実施しました。フルリモート環境でウェディング事業を展開する同社では、メンバー同士の信頼関係が見えづらく、本音を共有しにくい構造的な課題を抱えていました。本取り組みでは、感情に丁寧に向き合いながら、「本音を出せる心理的安全性の高い組織」への変容を支援。さらに2024年秋には世界初のCEQO(Chief EQ Officer、EQを活用し相互理解と心理的安全性を高めることで、組織全体のパフォーマンス最大化を目指す役割)を迎え、組織の自走化を加速させました。以下に、その背景やプロセス、担当者の言葉、そして現場で実際に起きた変化をご紹介します。

こんな方におすすめ
従業員が自分で判断し提案できる組織にしたい経営者
働き方が多様化するなかで「見えない我慢」や離職の兆候を掴みたい方
施策が「点」で終わらず、組織に定着する方法を探している経営者・人事担当者
静かに積み重なる遠慮と我慢──リモート組織が抱えた構造的な課題
ココスタイルは、全国のウェディングプランナーがフルリモートで働くという、独自のスタイルで組織運営をしています。ウエディングに向けた業務は、新郎新婦の一生に一度の大切な時間を扱う、感情労働の比重が高い仕事であると言えます。本来であれば、スタッフ同士が気持ちを共有し合い、支え合える状態が重要です。
しかし、リモート環境では「互いの状況が見えない」ことから、小さな遠慮や我慢が積み重なりやすく、弱音を吐きにくい雰囲気もありました。人事・組織開発担当の桑田まどかさんはこう語ります。
「誰かひとりが悪いわけではなく、チーム全体に"言わずに済ませてしまう"空気がありました。心理的安全性の下地を、きちんと整えないと変われないと感じていました。」
この構造的な課題に対し、PotageはEQを軸にした組織開発アプローチを提案、伴走しました。
EQPIと対話が生んだ変化──「個を知る」ことから始まる心理的安全性
最初のステップはEQ診断「EQPI」の受検でした。代表の荒井さやかさん、人事の桑田さん、そしてマネージャー層が順に受検し、Potageのアナリストが1on1で詳細なフィードバックを実施。診断結果からは、ココスタイルの特徴である「高い共感性」「相手への配慮」「誠実さ」が明確に可視化されました。これらは組織の強みである一方、過度に働きすぎると"我慢の文化"につながるリスクもあります。
荒井さんは自身の診断結果を踏まえてこう話します。
「外から見える「強いリーダーシップ」と、内側にある「繊細さ」。この二面性を同時に言い当てられ、驚きを隠せませんでした。数値を見てハッとしましたね。自分のクセが、実はチームの自走を妨げ、会社の成長に無意識のブレーキをかけていたのだと。感じていた行き詰まりについて、腑に落ちました 」
EQPIを起点に、Potageは対話型ワークショップ「ココカラノスタイル」を開催。自分の価値観の言語化、チームのビジョンづくり、心理的障壁の共有などをテーマに、感情を扱いながらチームビルディングを進めました。驚くべきことに、参加者は弱みを共有することへの抵抗をほとんど持つことなく、「実はこう感じていた」「ここが不安だった」という言葉を次々と出すことができました。取り組みを通して、フルリモートとは思えないほど熱量のある関係性が生まれていきました。
桑田さんはこう語ります。
「弱みや迷いを口にしても受け止めてもらえる経験が積み重なって、"本音を出していいんだ"という共通理解が生まれたんだと感じます。」

世界初のCEQO誕生──EQを「組織のOS」として経営に組み込む決断
EQの有効性を実感したココスタイルは、2024年秋、Potage代表 河原あずさを同社のCEQO(Chief EQ Officer)として迎えました。CEQOは、EQを活用し相互理解と心理的安全性を高めることで、組織全体のパフォーマンス最大化を目指す役割です。経営層と現場の間での感情の動きを捉えて活かしながら、組織開発の施策を"点"ではなく"線"でつなぐ役割を担います。荒井さんはCEQOを迎えた背景をこう語ります。
「EQを活かして本気で経営に取り込むには、感情の専門家に経営視点で継続的に伴走してもらう必要があると感じました。EQを軸にした組織づくりを進めるために、CEQOは欠かせない存在です。」
まずはご自身のEQを知りたい方はこちら

マネジメントの自走化とチームの揺れ──EQ開発がもたらした成果
CEQO就任後、マネージャー・リーダー5名を対象に3か月のEQ開発プログラムを実施しました。感情の動きを記録した日記(感情日記)と1on1を軸に「感情の認識」と「行動への接続」を繰り返し、EQを実務に落とし込むトレーニングを行いました。その結果、マネー ジャー陣に明確な変化が見られました。以前は社長の意図を推測して動く場面が多かったのが、「ココスタイルのマネジメントとしてどうあるべきか」を自ら考え、社長と建設的に意見を交わす場が増えました。
桑田さんは、こう振り返ります。
「マネージャーが自分の軸を持ち始め、社長に依存するのではなく主体的に提案できるようになりました。組織の自走力が高まってきていると感じます」
一方、EQ開発フェーズでは、離職検討や感情の揺れなど、組織に大きな波が起こることもありました。しかし、CEQOやアナリストが状況を丁寧に受け止め、経営・人事・マネージャーと連携しながら、組織が進むべき方向へと伴走し続けました。荒井さんはこの期間を「必要な揺れだった」と表現します。
「感情 が表に出ることで、初めて本質的な対話が生まれました。揺れがあったからこそ、今の強いチームにつながっています。」

心理的安全性92%の組織へ──本音が自然に行き交うチームの実現
社内アンケートでは「意見や感情を安心して共有できる」と答えたメンバーが92%に達しました。また、離職を考えていたメンバーが本音で対話を重ねる中で前向きな選択をとり直すなど、EQ経営ならではの象徴的な変化も生まれています。今では、日常の雑談や1on1、感情を共有するアウトプット会など、さまざまな"感情共有の場"が自然に生まれ、組織全体がしなやかに機能するようになりました。
EQPIで「個を知る」、対話を通じて「価値観を共有する」、EQ開発で「自律したマネジメントを育てる」、CEQO伴走で「組織全体の感情を整え、感情をプラスの力として活かす」。これらが連動することで、ココスタイルは"我慢の組織"から"本音の組織"へと確実に変わりつつあります。
EQPIは単なるアセスメントではありません。個を知り、互いを理解し合うことで、本音で語り合える組織へと変革できる。このプロセスこそが、失敗を恐れず挑戦できる、不確実な時代に必要な"組織の土台"そのものになっていきます。
ココスタイルの事例は、リモートワークなど働き方が多様化する時代における組織開発の新しいモデルケースです。




